2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

虎視眈々

そういうことではなくて。 接近戦に弱い。忘れていた匂いカウンター越しにしか見なかった手の形それが今、私と並んだ。冗談でも、無意識でも失神しそうだった。 なんでも知ってる私の乾いたところを潤してくれる誰にも話さないことを私に話してくれるあの人…

愛の売り時

くちびるを食べあうキスなんて。あなたの顔を包むように垂れた私の長い髪で、世界は遮られた。髪の隙間から洩れるわずかな光を吸い込むあなたの瞳に、夢中になっている私が映る。黒い小さな二人の世界はあっという間に現実に引き戻される。汗という雨が二人…

私は最低最悪だれも傷つけずに済む人生なんて何度生まれ変わっても不可能である。ただ自分が傷つかないように人を傷つけていた。痛かったろう。あの人はわたしの言葉のナイフでどれだけの血を流したんだろう。ただ謝ることしかできない。「若かった」なんて…

思うようにならずつらく、憎く、切なく、人々はつれない

憂いのとき 目くばせをして行き交う人をたどる 薔薇の香りがわたしを包んでも 風が吹かないからだれにも届かない この夏、わたしは汗をかくのだろうか はちみつに似たあの汗を ピンクに火照る肌を 誰に魅せよう

好きさ好きさ好きさ

にやけた顔がもどらない。 「うれしそうな顔しちゃって、どうしたの」 そんなこと言わないで。 理由いえない。私は信じている。 私にしか言わないんだって、その嫌だった事とか。 私は慎重に言葉を選んで返している。 私はそれだけで幸せだ。恋だとか愛だと…

欲情

なにもかもが心地よい。 久しぶりにきく声がBGMより強くやさしく、わたしの心をほぐしていった。 おぉ、ロミオ。なぜ、あなたはロミオなの。そんな台詞をため息と一緒に吐き出したい気分だ。私が想うのはこの人だけだ。 凝り固まった頭の中、汚れきって呼吸…