好きさ好きさ好きさ
にやけた顔がもどらない。
「うれしそうな顔しちゃって、どうしたの」
そんなこと言わないで。
理由いえない。
私は信じている。
私にしか言わないんだって、その嫌だった事とか。
私は慎重に言葉を選んで返している。
私はそれだけで幸せだ。
恋だとか愛だとかめんどくさいと言うけれど
彼以外のことはすべて面倒なだけだ。
あぁ、届かない。この手に入れることができない。
近いのに遠い。
心の中が思わず唇からこぼれそうになっていたあのころとは少し違う。
「それなり」に関係を楽しめる。
それなりに今のこの距離感が心地よい。
ふざけてじゃれあう猫みたいでいい。
いいの、今はこれで。
わたしは心を全部開放した。
何もかも委ねて、最後の居場所だ。
君のいる空間はわたしの最後の居場所だ。
どこまでもいつまでも続け。
一生背中を眺めることになっても
ずっと私の前を歩いていてほしい。
いつかその手がわたしの手をつかむのを待っている。