伝えたい伝わらない伝えきれない伝え下手

何度読んでも文字からあの人の溜息が聞こえてくる。

どうやっても目で見る言葉だけじゃ伝わりきらないことがある。
たくさんの同じ意味を持った言葉がある限りそうなのか、その選択を間違えて
相手の心を引っ掻き続けていたら、うっかり心臓えぐっちゃった。

うっかり、なんかじゃ済まされない。だって心臓だよ?
死んじゃったもん。

もぎ取っちゃったから、気づいた今どうしようもなくて
その血の塊みたいなのを手にもったまま私、泣いてた。

温かいうちにどうにかしたら戻ったかもしれないのに
もう冷たく干からびた。

救急車を呼んでみて、でもあんまりにも遅いから
救急隊員の人のことも傷つけた。

また死にかけてるの。私の目の前で。

でも今度は干からびる前に一生懸命私の血を分けてる最中。
時間は戻らないし、止められないけど流れに従ってできる限りのことをしてる。
私の声が届きますように。

今必死に血を出して分けて、私の知る限りの言葉で
止血や、人工呼吸してる。

救急隊員のことも大切に思ってる。