接吻欲求不満症候群

あの人も、あいつも、いつの間にか私にキスをしなくなった。


キスをしないまま、セックスをするとどうなるかというと、けっこうどうでもいい人とのキスに力が入る。


私は穴のついた人形なのだろうか。


ぐちゃぐちゃのパズルみたいに、とりあえず凸凹がはまるから組み合わせたりしているけれど、まったく絵のことなんてどーでもいい風に作り上げている。


それでも繋がっていたい。



ただの、穴のついた人形であっても、都合のいいオナニー玩具だとしても私は彼らが求めるとおり動き、喚き、そこに悦びを見出す。無理やり。




わがままが言える心の質があれば

キスしてほしい、そばにいたい、触られたい、愛めいた言葉をかけてほしい、髪をなでてほしい、つぶれるほど抱きしめてほしい。

でも私は、穴のついた都合のいいオナニー玩具。
彼らの求めるとおり動き、満たし、

それだけでも幸せなことだと思うしか、恋を見つけられなくなってしまった。


私がこっそり泣いていることを知らない。知ってもらっては困る。
どうして私を捨てないの?どうせなら傷つけてポイっとされたほうが私、前に進めるのに。
好きって言ってよ。

かわいいだけじゃなくて、好きって。

そばにいてくれなきゃ、さびしいの私だけ?

じゃあ、捨てちゃってよ。

もう思い出さないで。忘れてよ。