NANDE?

怒られて、泣いた。優しいだけが愛じゃない。でも、彼はあたしに愛情を持って言ってくれているんだろうか。「叱ってるんじゃねーぞ、お前を思っていってるんだ」って言った。その全ては真っ当なことを言っている。自分でもわかってる。あまりに自分がダメすぎて彼の言葉に涙が止まらなかった。そんな風に言ってくれる彼が欲しい。 

「会いたいよ。」素直に言葉が出てくるよ。彼の前なら彼の声を聞きながらなら何でも言えそうだしなんでもがんばれそうだ。
「来月までそれは無理だな」
「なんで?あたしに会いたくない?実はうざい?」って自分で自分がウザいと思う。困らせてどうするんだ。
「違うよ、来月まで待って」

そういえば、ちょうど今くらいの時期に彼に出会った。あたしの働いていた店の客だった。そしてあたしの一目惚れだった。もちろん始めは顔だけで惚れたけど、一緒にいればいるほど仕草にも惚れて、言葉を交わすたび惚れていった。期待通りの言葉を返してくれる、思いもよらない体が震えるような表現、溶け込んでしまいそうな触れ方。全てがパーフェクト。

好きだって言ったこと忘れてるんだろうか。
 
―来月でいいからあたしに時間を作って。会いたいんだもん!
送信してからあたふたするし、赤面する。自分の携帯から削除したって後の祭なのに!
初恋に似たドキドキだけの恋。