一度ひらいた花は蕾には戻れない

だいぶ前に読んだ漫画の台詞(レディコミ)です。
もう数日地に足がついていない状態で生活をして、何食わぬ顔なんてできなくて、恋をする気持ちは自分でも止められなくて。だけど、飛び込む勇気はない。
弱いくせにずるい。
うまいこと言われていて都合のいい女だとしても、いいなんて思っていない。先に見えるのは後悔か。頭より体より前に進んでしまった心は少しでも触れたらはじけそうだ。

どうしてあいつは、彼よりも上手くあたしの背中を押してくれるのだろう。抱きしめ方もキスの仕方も、声も何もかも餓えて干からびたあたしの真ん中を潤す。自分の気持ちには正直でいたい。
亡くなった恋人の面影を持つ彼と、恋人を亡くす同じ痛みを抱えるあいつ。
夢を追いかける少年的な彼と、現実を見つめ自分で着実に道をひくあいつ。
彼には少しずつ愛情が芽生えはじめてはいるもののやはり情で繋がっている侘しさ。あいつには自分の奥の奥へしまいこんだ恋心のせつなさ。
でも、開けてはいけない引き出しを開けてトリップしてしまった。ウソでもいい、思い出しただけの一時でもいい。
会いたかった。

会いたかった

あたしの気持ちとあいつの言葉が交差して、魂すらあいつに委ねた夜。昨日のことのようにまだあたしの記憶の中で蘇る。
お前だったら
あなただったら
『よかったのに』
抱き合った夜明け近く気づいてしまった。好きだなんて声は殺して飲み込んだ。

代償は大きい。自己嫌悪に傷つく人がいるということ。間違えているとは思わない。今が苦しい。せめて、彼の傷が大きくならないようタイミングを間違えないことと自分の気持ちにウソはつきたくないだけだ。
あたしは毎日のようにホロリ泣いてる。彼に最悪の痛手を負わせるつらさと、あいつのそばにいたい切なさで…夏が近いせいではない。