SAYONARA

今週、私は今の住まいを出て行くことになりました。

これ以上の長居は、彼に無理をさせてしまうことをわかっているから、それと無意識に帰りを待ってしまい恋人でもないのに彼に余計な気遣いをさせてしまうからである。
なんとなくこのまま一緒にいられるんじゃないか、なあなあでも付き合い始めちゃうんじゃないだろうか、淡い期待を寄せていました。

出会ったのは10月半ば。

とても不純な動機で未明に会った。
物腰の柔らかな姿とまるでスローミュージックを聴いているかのような優しい話し方。一晩で一人の人として気に入った。また会いたいと。会いたいと思っていたのは私だけだったのだろうか。顔を見る回数が増えるほど彼の人間性に感心し、興味がわき、尊敬するようになった。



いつだったか、壊れそうな私の日記を読んでメールをくれた。
はじめて彼の家にあがった。その部屋に信じられないけれど1ヶ月も暮らした。あまり干渉せず、楽しく笑って暮らした。


好きだという気持ち以上に、私にとって必要と、強く思うようになったのは最近のことだけれど、十分はじめから私は堕ちていたのだ。自分に蓋をし、相手の様子を別の男の話で伺いながら、自分の仕事をさらけ出し反応をはかっていた。その時点ですでに私は恋してた。

名前もはじめから呼べないし、お酒が入っていないと気軽に触れることすらできない。
ドキドキしないのに、そばにいれなくなることがこんなにせつなくて悲しい気持ちにさせる。この人といれたら、私はきっと自分の愛し方をわかるようになるんじゃないだろうか。
そして、その暁には人に優しくなれるんじゃないだろうか。

告白をするなら、「I need you」なのだ。