金魚と猫

蛇口から勢い良く出る水を受け止める桶は溢れ出している。冬には似あわないその水の音。白い手をくぐらせて、一緒に笊もくぐらせて相変わらず泡を作り出して必死に捕らえようとしている。

もうすぐちぎれそうに水が冷たくなる。

私は燃えるより、温まる恋がしたいのだ。

今朝、魚を逃した。

好きだと想いを伝えられたのならいくらか楽になるのだろうか。伝えることで更なる苦しみが襲ってくるのなら一瞬の平穏を楽しめる今がちょうど良いのだろう。そう思いたい。そうであって欲しい。