理由のない不安に押しつぶされそうで、君の姿を見つけたらすぐに抱きしめてもらおう。
抱きしめてもらっても治まらない不安は、胸を締め付けてやがて涙に変わる。
このままどうにかして、君の体に溶けてしまいたかった。
そうしたら少しでも君をわかってあげられるような気がした。

いとしすぎて、君の事をひとりで考えているといつの間にか「君」と呼ぶようになっていて
たまにみせる真剣な眼差しにぐっと息をのんでドキドキするのを覚えた。
もうドキドキなんていらないのに、とにかく安心したくてそばにいたいのに、何故だろう。
このままどうにかして、君のところへ飛んでいきたかった。
そうしたら今夜も夢を見ずに眠ることができるかもしれない。

優しい人になりたい。自分に嘘をつきたくない。正しく生きていきたい。君の事を考えない夜なんてない。

どんなに力を込めて抱きしめてもらっても、どんなにきつく寄り添っていても絶対に1つになれないこの空虚な感じは不安以外のなにものでもない。どうして君の言葉や仕草すべてが嘘に見えてしまうのだろう。こんなにいとしいと思えるのに悲しい気持ちになるんだろう。

だから君の中の中へ溶けてしまいたい。

君の細胞のひとつになれたなら、その体中を飛び回りたい。そしていつか君の声になって生まれ変わりたい。そうしたら、もしかしたらこの理由のない不安もなくなるかもしれない。

君の呼ぶ声が、本当に悲しくさせる。そして僕は謝りたくなる。「ごめんね」って言うと死にたくなって「愛してる」って言えばよかったって後悔してる。
不思議なことに君と眠っていると暖かくて、溶け合っている感じがして生きててよかったって思ってとても気持ちがいいんだ。何も不安なことなんて実際はないんだ。

ごめんね。