震える足

また近づいた。ふわっと香る。

きっと私しか知らないはずの蓮の花。
久しぶりの蓮の花。
鮮やかに目に飛び込んでくるやいなや、フラッシュバックした。

肩のヤモリは元気ですか。

指先でまたなぞらせて下さい。

恋というものをしている、それだけの私。
図々しく胸から溢れる愛しい気持ちを見えないようにするので精一杯だ。

どうしたらいいのよ。
言いたくてたまらない。もっと一緒にいたくてたまらない。

もうすぐ1年になる。

あの日こんな風に時が過ぎるなんて想像もしていなかった。
だけど、はじめからあの人は魅力的だった。