「考える」のは痛い
君の元へ還るには誠意を見せなくてはならない。
恋人になって間もない頃、いつか捨てられるとお互いに思って不安でいっぱいの時間。だからこそおもいやれていたのだと気づいた。
たとえば今君の元へ還ったとする。あたしは恥ずかしくて君の眼を写真でしかまともにみることはできない。君の手を繋ぐこともきっとできない。
あたしはすっかり汚れてしまった。いくら綺麗にしようとしても消えない、ただ記憶の奥底にしか隠すことしかできない。
あたしの望むすべてをしてくれるのは君だけで、君はあたしに期待を寄せている。あたしが動かなければきっと再会しないまま何十年とお互いが待ち続けることになる。
わかっているのに、寄りかかれる存在をあたしのアンテナは逃さない。
君との事は消えてなくなればいいのに。